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定期借家契約とは?指定する理由や有効活用方法について解説

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2000年に施行された新しい形態である定期借家契約は、年々増えてはいるものの、まだ不動産の賃貸借全体の1割弱程度の普及率です。

しかし定期借家契約は、居住権を優先するあまりに、オーナーや管理会社に負担の多かった賃貸借契約を補完する役目があります。

そこで今回は、定期借家契約とはどのようなものか、貸主の方が指定する理由やメリット、デメリット、有効活用の方法について解説します。

不動産の管理業務に従事される方は、ぜひ最後までお読みください。


定期借家契約とは?

まず、定期借家契約とはどのような契約なのでしょうか?

定期借家契約とは?

普通借家契約は、オーナーか賃借人のどちらかから更新しない意思を伝えない限り契約が自動更新され、賃借人は住み続けることができます。

これに対して定期借家契約は、最初の契約時に賃貸借の期間を限定しておくやり方です。

つまり契約期間の満了とともに、賃借人は退去するか、物件オーナーと双方の合意のもとに契約更新をする必要があるのです。

普通借家契約との違い

ほかにも、定期借家契約と普通借家契約は、細かい違いがあります。

まず、特約を設けることで家賃の増減額請求ができないようになっています。

また、定期借家契約は基本的に途中解約ができず、床面積200㎡以下の居住用物件で、解約にいたるやむを得ない事情があるという条件をすべて満たす必要があります。

この条件を満たしていれば、賃借人は解約通知から1か月が経てば、オーナーの承諾なしに契約解除できます。

オーナーからの解約は、普通借家契約と同様の基準の正当事由をそなえる必要があります。

定期借家契約を結ぶ方法

普通借家契約は、契約書なしでも双方の合意で開始できます。

しかし定期借家契約は、公正証書などの契約書を作成しておこなう必要があり、さらに契約書とは別に「更新がなく、期間満了で終了する」という旨を書面で交付して説明する必要があります。

この別途の説明と書類交付がない場合、普通借家契約の扱いとなります。

また、契約終了の1年から6か月前までに、再度契約終了を賃借人に予告する必要があります。

この通知を忘れると、通知をおこなってから6か月後まで期間が延長されることになります。家賃管理の効率化とは?手作業の課題やシステム導入で楽になる点について解説

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定期借家契約を選ぶ理由とメリット、デメリット


では、オーナーはどのような状況で定期借家契約を結ぶのでしょうか?

貸主が定期借家契約を選ぶ理由 

まず多いのは、転勤などで一定期間空き家になる家を貸し出したいという理由です。

自宅に戻ることが決まっている場合、賃貸借に期間を設けてスムースに地元の生活に復帰できるようにします。

転勤時などで誰も住んでいない家は、住宅ローン控除の対象外となり、空き家の期間中は控除を受けられません。

せっかくの空き家も活用したいのですが、賃貸借に出す前に、住宅ローンの返済中である場合は注意が必要です。

金融機関に相談をすれば、転勤の間だけということでそのままの条件での支払い継続が認められるケースが多いです。

しかし、相談なしに自宅を賃貸した場合は、住宅ローンの契約違反となり、悪質とみなされると、一括返済を求められることもあります。

このほかに、所有している別荘を当面使わない場合の賃貸借や、実家を相続して、自分が利用するまでのあいだ賃貸借するという理由があります。

実家を賃貸する場合は、やはり売却したいとなった場合、空き家特例の、譲渡所得税の3,000万円控除を使えなくなる場合があります。

「親が亡くなったからとりあえず貸そう」というお客様には、相続を終えてから貸すのが基本である旨お伝えしましょう。

定期借家契約のメリット

一般的な普通借家契約では、トラブルを起こしたり家賃を払わない賃借人の契約解除や退去、残置物の処理は、期間と手間をともないます。

その点、定期借家契約は、6か月の短期間でも設定が可能で、意図しないような賃借人だった場合は、契約を更新しないこともできます

そして契約更新をする場合も、ここまでの期間の状況を見て、新しい条件での再契約をすることもできるのです。

また、定期借家契約は分譲賃貸などのように、自己居住用の、クオリティが高めの物件が多いこともあり、高く貸せる傾向にあります。

2020年の1都3県の統計では、すべての㎡数区分で普通賃貸借契約よりも、数千円づつ高い賃料で成約しています。

定期借家契約のデメリット

まず、お客様の間に定期借家契約がどのようなものか浸透しておらず、都度説明を入れて納得してもらうことが必要になります。

また、更新ではなく再契約が必要になる点や、途中解約がしづらい点などで、敬遠される場合もあるでしょう。

また、現状での定期借家契約は、更新できないものがほとんどとなっているので、それもお客様から避けられる理由になりえます。

しかし賃借人の意識も、気に入った場所を探したり、ワーケーションの感覚でさまざまなところに住みたいという傾向が高まっています。

定期借家契約について、今後需要と供給が一致してくる状況も考えられます。


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定期借家契約の有効活用方法は?


定期借家契約をこれまで以上に有効活用する方法はあるのでしょうか?

一定期間に空き家となる家の有効活用

空き家の利用はここまでご説明の状況以外に、長期出張や、一定期間実家へ帰る事情などで利用することも考えられます。

このような賃貸は、期間限定の定期借家契約で良いので、荷物を置ける広めの物件を借りたいというニーズとして、自宅の建て替えなどでの一時利用との相性が良いです。

これらのマッチングは、地元密着の不動産会社が仲介を期待される部分ですね。

ただし前述のように住宅ローンの返済中の物件は、金融機関との関係を取り持つ必要があります

全国的に空き家が増えて、社会的にその対策に困っている状況下、定期借家契約は、空き家を貸してみるという用途にフィットしていると言えます。

優良な賃借人を集める試用期間にする

近年の国土交通省の方針で、優良な賃借人に長く住んでもらい、優良な住宅ストックを形成するのが望ましいとされています。

住宅ストックの形成とは、新築ではない物件を有効活用するという意味です。

優良物件は立地や設備だけでなく、マナーの良い方が集まり、長く借りているということが、重要な要素です。

期間限定ではない、一般的な賃貸物件でも、試用期間として定期借家契約をし、期間満了後にあらためて普通借家契約とすることもできるのです。

この場合は、再契約の際の費用については、賃借人に過度のの負担にならないように配慮が必要かと思います。

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まとめ

定期借家契約とはどのようなものか、貸主の方が指定する理由やメリット、デメリット、有効活用の方法について解説しました。

賃貸物件管理の強力な業務支援パートナーとして、ぜひいえらぶCLOUDの導入をご検討ください。

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この記事を書いた人いえらぶ編集部

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